『ALTER EGO』βテスト参加者の皆さまへ

はじめまして。プロデューサーの大野です。

プロデューサーというほど大それた規模での開発ではないんですが、「プロデューサーレター」というタイトルにしたかったので名乗ってみました。『ALTER EGO』に関しては、企画立案からシナリオ、ゲームデザインなどをやっています。

はじめに

あらためまして、配信前の『ALTER EGO』にご興味おもちいただき、誠にありがとうございます。

弊社はまだまだ小規模なデベロッパです。『ALTER EGO』に関しては、4月に開催されたTOKYO SANDBOXというイベントで初めて情報公開しました。その際にゲームキャストさんに取り上げていただいてから、少しずつ興味をおもちいただける方が増えたのは大変ありがたかったです。

プレイヤーの精神を分析して心を突き刺す言葉を投げかけるゲーム『ALTER EGO』 #TokyoSandBox

なぜ、このゲームを作ったのか

イベント出展時にもたびたび聞かれたことですが、文章化してみます。ポエムです。

学生時代から、内向的で自己完結的な人間でした。この悩みは自分だけが抱えているものなのだろうか、とひとり悶々と考えていたとき、小説を読み始めました。読み始めたのは国内外問わず、文学小説と呼ばれる古典的な小説がメインでした。小説内の人物は、時代背景や環境などは大きく違うものの、抱えている悩みの質は当時の自分と同じように感じました。それについては、自分は決して特別ではなかったという寂しさもありましたが、それを上回る程に安心感を強く覚えました。

虚構の人物の言葉をひとつひとつ自分の言葉としていくなかで、他者がなにを感じどういう視界で世界を見ているか興味をもち始めました。心理学科のある大学に入ってからも、文学や心理学、精神分析などへの興味は尽きませんでした。今でこそ小さいながらも会社を作って働いていますが、当時は研究職への憧れも強かったです。

社会人になりゲーム業界に入ってからは、自分の作りたいものより求められるものを作るようになりました。小手先のスキルはそれなりに上達していたように思いますが、学生時代からくすぶらせたままの漠然とした創作意欲は、依然として澱のように凝り固まっていました。

内省的な吹き出しをタップしていく探求パートは、自分が学生時代から抱えていた心象イメージです。「歩く」というのがモチーフになっているのは、自分が好きな種田山頭火の代表句「どうしようもない私が歩いてゐる」が元になっているように思います。自分のことなのに曖昧な表現なのは、自分でもそこまで自覚的ではなかったからです。あとになって、自分の本意に気づくということは、ままあります。自分のことですら、自分はわかっていない。ということも、『ALTER EGO』のテーマのひとつです。

ゲームという媒体を選んだのは、自分のやりたかったテーマである「私ってなに?って悶々と悩み続けるあの感じ」を表現するのには、タップゲームが相性いいのではと思ったのがきっかけでした。エンドレスにインフレしていくゲーム性と、終わりの見えない自分探しの相性が良いと感じたからです。とはいえ、やりたいことに近づけるためにはβテスト後も試行錯誤必要だと思うところがあり、まだ改善の余地はあると考えています。プレイして気になった点は、是非アンケートにご記入いただけると開発の参考になります。よろしくお願いいたします。

最後に

結局ただの長いポエムになってしまいましたが、βテストにご参加いただいている皆さまに作品趣旨を伝えた方が良いかもしれない、と思い書きました。

まだまだ自分のやりたいゲームを完全に再現しきれてない部分もありますが、配信まで少しでもクオリティ上げられるよう頑張ります。『ALTER EGO』の配信は、2018年秋を予定しております。

もし、本作がなにかしら心に引っかかりましたら、是非TwitterなどSNSでつぶやいていただけると大変励みになります。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。βから興味もっていただき、重ねて嬉しいです。ありがとうございます。引き続き『ALTER EGO』をよろしくお願いいたします。

カラメルカラム 大野真樹